肌着や靴下を嫌がる感覚過敏の子|「着られた」までの1年間とおうちでできる感覚あそび

おうち療育

こんにちは!ミタです。

発達に凸凹のあるお子さんの中には、「感覚が敏感すぎて、毎日ちょっと大変…」というお子さんがたくさんいます。

感覚過敏にはいろいろな種類がありますが、今日はその中でも、肌への刺激が苦手なタイプ——肌着や靴下を嫌がる、服のタグが気になる、抱っこをすり抜けてしまう…といったお子さんについて、わが子の実体験をもとにお話しします。

肌の感覚が敏感だと、着られる服が限られたり、肌着や靴下をなかなか着てくれなかったりして、親子ともにストレスがたまってしまいますよね。

でも大丈夫。焦らず、長い目で続けていくことで、少しずつ変わっていくことがあります。

療育の現場で学んだことと、わが子との1年間の記録をもとに、おうちでできる感覚あそびをご紹介しますね。

感覚過敏があると、どんなことに困るの?

感覚過敏とは、肌で感じる刺激に対して、人より強く反応してしまう状態のことです。

発達障がいや発達凸凹のあるお子さんには、この感覚過敏を持っている子が少なくありません。

たとえば、こんな困りごとがあります。

・着られる肌着や靴下が決まっていて、それ以外は着られない
・服のタグが触れるだけで「イヤ!」となる
・特定の素材にすごくこだわる
・着替えの時間にパニックになってしまう
・親からのスキンシップが苦手で、抱っこを嫌がる

これって、決して「わがまま」ではないんです。脳の感覚の受け取り方が、その子はちょっと違う。ただそれだけのこと。

まずは親も子も、「これはわがままじゃないんだ」と知ることが、はじめの一歩になります。

わが子の場合は、こんな感じでした

わが子も、肌の感覚がとても敏感な子でした。

着られる肌着と靴下は決まっていて、それ以外は絶対に着ません

大きくなって、いつもの肌着がサイズアウトしても、「新しいのはイヤ!」と強く拒否。

肌着も靴下もまったく着られない時期もありました。季節が変わっても、本当に、着ないんです。

「でも、体を冷やしたら…」と、親としては焦る気持ちもありました。

でも療育の現場でも、「無理に着せるより、まずは感覚を整えてあげることが先」と教わって。その学びをもとに、わが子に合わせたおうち療育を始めました。

わが家で実践した4つのおうち療育

わが子の感覚過敏に、おうちでこんなことをやってみました。

1. スイミング

わが子は、お水が大好きでした。潜ったり、飛び跳ねたり、くるくる回ったり——全身でお水を楽しんでいて、感覚あそびとしても運動としても、ぴったりだったんです。

くり返しお水に入るうちに、肌への刺激への反応も、やわらかくなっていったように感じます。

(※スイミングスクール自体はいろいろあって退会してしまいましたが、水に慣れる効果は確かにありました。習い事という形でなくても、おうちのお風呂やプールでの自由な水あそびで、十分代わりになりますよ。)

2. 粘土・スライムあそび

粘土やスライムをぐにゃぐにゃ触るあそびは、手や指にいろんな刺激をくれます。

わが子の場合は、これで「独特の感触をさわりたい!」という気持ちが満たされたみたいでした。

実は感覚過敏の子の中には、「刺激が苦手」と「刺激をもとめる」が同じ子の中に混ざっていることがあるんです。わが子はまさにそのタイプで、粘土やスライムのような感触あそびに夢中でした。

こんなふうに「その子の好きな刺激」をあそびに取り入れると、肌の感覚とうまくつきあえるようになっていくことがあります。

3. こちょこちょあそび

親が子どもの体をこちょこちょくすぐるあそびも、感覚過敏の子にはおすすめです。

くすぐられるのが苦手な子が多いのですが、わが子はこのこちょこちょが大好きでした。

親子でスキンシップを楽しみながら、少しずつ肌に触れられることに慣れていけます。

あとで詳しくお話ししますが、このこちょこちょあそびは、親子のコミュニケーションとしても大活躍。わが家では、親子の距離をぐっと縮めてくれるあそびになりました。

4. お風呂でのスリスリ

お風呂での「スリスリ」は、子どもの背中や腕を、親がやさしくこすってあげるあそびです。

あたたかいお湯につかりながらのやさしい刺激は、子どもをふわっとリラックスさせてくれます。「気持ちいいな」という感覚とセットだと、肌に触れられることへの抵抗も、少しずつやわらいでいきます。

お風呂の時間を「療育しなきゃ」と気負わず、「親子でのんびりする時間」だと思って過ごすのがコツ。子どもも親も、無理なく続けられますよ。

感覚あそびを助けてくれるグッズ

おうち療育を、そっと支えてくれるグッズもご紹介します。

バランスボール

バランスボールに座ったり、上でごろんと転がったりすると、全身にじんわりした圧の刺激が入ります。

これが、感覚過敏の子にとっては「なんだか落ち着く」につながることがあります。

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足裏感覚マット

いろんな感触のマットを踏んだり触ったりすることで、足のうらや手への刺激を、少しずつ増やしていけます。

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粘土・スライム

さっきお話しした通り、手や指へのいろんな刺激と、「好きな感触をさわりたい」気持ちの両方を満たしてくれます。

わが子は粘土やスライムのような感触あそびに夢中でしたが、ほかにもキネティックサンドやスクイーズボールなど、手や指が満足するグッズはいろいろあります。療育保育士として選んだ7つを、こちらでまとめました。

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服は「着られるもの」を着ればいい

感覚過敏の子と向き合うとき、いちばん大事にしたいのが「着られるものを着る」ということ。

わが子も、決まった肌着と靴下しか着られませんでした。真冬にトレーナー1枚のわが子を見て、最初は「親としてどうなの…?」と焦ったこともあります。

でも、無理に着せてパニックになるより、「今、この子が着られるもの」を優先しよう、と腹をくくりました。「着られないなら、まあいっか」——このゆるさが、実は長く続けるコツなんです。

衣替えも、あわてず、子どもの様子を見ながらゆっくりで大丈夫ですよ。

わが家が気をつけていた食事のこと

おうち療育と一緒に、わが家では食事にもちょっとだけ気を配っていました。

・お肉や卵、お魚などのたんぱく質
・いろどりのある野菜

とはいえ、これは「感覚過敏を治すため」というより、育ちざかりの体と心の土台づくりとして。
バランスのよいごはんと、しっかりの睡眠は、どんな子にとっても大事な基本ですよね。
あくまで、わが家が心がけていたことのひとつとしてお伝えします。

(※ここは体験談です。食べもので感覚過敏が良くなるという医学的な根拠はありません。)

1年続けて、こんな変化がありました

約1年間、おうちで続けてみて、わが子にこんな変化がありました。

年中の1年間:肌着も靴下もなしで過ごす

実はわが子、年少さんまでは肌着も靴下もまったく気にしない子でした。だから年中になって急にこだわりが強くなったんです。

ただ、私はもともと子どもの「感覚」に注目して見ていたので、「あ、今、感覚が育って敏感さが出てきている時期なんだな」と気づくことができました。感覚のバロメーターが行ったり来たりしながら育っていく、その途中なんだ、と。

年中さんの1年間、わが子は肌着と靴下を着られませんでした。それどころか上着も嫌がって、真冬でもトレーナー1枚で、自転車のうしろに乗っていたんです。見ているこっちが寒くて、「本当にこれで大丈夫…?」とハラハラしていました。

夏は夏で、真夏でも靴下なしで靴を履くので、帰ってくると靴がなかなかの匂いに(笑)。

「体を冷やしたら」「風邪をひいたら」という不安は、正直ずっとありました。でも無理に着せることはせず、その子のペースに任せて、この1年を過ごしました。

1年後:「これなら着れる」が増えた

続けていくうちに、年長さんの秋頃、わが子は新しい肌着や靴下を「これなら着れる」と言えるようになってきました。

親が無理やり着せたのではなく、子ども自身の「できた!」という体験からの、その子のペースの成長でした。

「投げる・たたく」の理由がわかって、ぐっとラクになった

実はわが子、おもちゃを勢いよく投げたり、物をバンバン叩いたりする子でした。怒っているわけではなくて、むしろニコニコ、すごく楽しそうに。

最初は「どうしてこんなに激しく遊ぶんだろう」と、正直とまどっていました。

でもOT(作業療法士)さんに相談したとき、「手からの刺激の感じ方が弱いから、投げたり叩いたりして刺激を補って、楽しんでいるんですよ」と教えてもらって。すごく、すとんと納得したんです。

わがままでも乱暴でもなくて、手が刺激をもとめているだけだった。

そうわかってからは、粘土やスライム、こちょこちょあそびで「手が満足する刺激」をたっぷり用意するようにしました。すると、だんだん物を乱暴にあつかうことも減っていったんです。

同じ悩みのママ・パパへ、わが家からのメッセージ

こちょこちょあそび、やってみて

こちょこちょあそびって、一見ただのじゃれ合いに見えるかもしれません。

でもこのシンプルなあそびが、スキンシップの入り口になってくれます。

親に触られるのが苦手な子でも、「楽しいあそび」の中でなら、すっと受け入れられることがあるんです。ぜひ、おうちでも試してみてくださいね。

一緒にお料理してみる

もう一つのおすすめは、「一緒にお料理」。

小麦粉をこねたり、お野菜をさわったり、あたたかい湯気を感じたり…お料理には、いろんな感触や温度の刺激が自然に詰まっています。

「あそびの延長」で、無理なく感触に触れられる、いい機会になりますよ。

水あそびは、あまり止めすぎないで

「汚れるから」「風邪ひくから」って、つい水あそびを止めたくなりますよね。でも、水に触れる経験は、肌の感覚と仲良くなるのにとても役立ちます

わが子も、スイミングだけじゃなく、おうちでの自由な水あそびで、感覚が整っていきました。

まとめ|感覚過敏は「その子の個性」

感覚過敏は、子どもの「困った行動」じゃなくて、「その子の感覚の受け取り方の個性」です。

わが子との1年間で、私が学んだことは3つ。

  1. 焦らない、無理をさせない
    着られない時期があっても、それは失敗じゃありません。「今、この子が着られるもの」を、まず受け入れてあげる。
  2. 長い目で見る
    感覚の育ちは、数週間や数ヶ月では変わりません。1年、2年、それ以上かかることも。その中で、少しずつ、その子らしい変化が起きていきます。
  3. その子らしさを大事に
    感覚過敏の子は、その分「感覚が豊か」でもあります。その繊細さを否定するんじゃなくて、その子らしさとして大切にしながら、暮らしやすさを整えていく。それが、親としてできることかなと思っています。

同じように感覚過敏で悩んでいるご家庭へ。

大丈夫、少しずつ変わっていきます。

無理せず、長い目で。その子らしさを大事にしながら、おうちでの感覚あそびを続けてみてくださいね。


※本記事はわが子の体験記録です。感覚の困りごとが強い場合は、作業療法士(OT)など専門機関への相談もご検討ください。

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