お子さんの発達について、ふと「うちの子はこのままで大丈夫かな?」と不安になる瞬間、ありませんか?
まわりの子と比べてしまったり、できていない部分ばかりが目についたり。
そのたびに胸がぎゅっと苦しくなる…そんな経験をしたママ・パパは、決して少なくありません。
「どんな遊びが向いているんだろう?」
「もっとできるようにしてあげなきゃいけないのかな?」
「私の関わり方はこれで合っているのかな?」
子どものために何が正解なのか、悩んで迷って、自分を責めてしまう日だってあると思います。
でも実は、発達を支える一番大切な土台は、難しい教材や特別な訓練ではなく、
“好きなことを好きなだけできる環境” と “安心できる大人の存在”なんです。
このブログでは、私自身が息子の育ちを通して感じた「こころの土台の大切さ」と、家庭や幼稚園でどんな関わりができるのかを、やさしくわかりやすくお伝えします。
「できることを増やす」前に、まずは「安心して育つための心の土台」を一緒に整えていきませんか?
なぜ「こころの土台」が発達に大切なのか
お子さんに発達の遅れがあるとわかったとき、多くのママ・パパは「何ができていないのか」「どこが遅れているのか」にまず目が向きます。標準的な発達の目安と比べて、今の状態を知ることはとても大事ですし、これからの支援や成長を考えるうえでも役立ちます。
ただ、その「基準」に当てはめるときに、忘れてはいけないのがこころの発達です。
こころの発達とは、
- 自分を好きだと思える自己肯定感
- 「自分はできる」と思える自信
- 「自分は愛されている」「守られている」と感じられる安心感
といった、目には見えない土台の部分です。
赤ちゃんのころから(実はお腹の中にいるときから)、「自分は大切にされている」と感じながら育つことで、子どもは少しずつ自分から新しいことに挑戦していく力を育てていきます。性格の違いはあっても、「何かあっても大丈夫。自分には信頼できる人がいる」という感覚が、こころの土台になります。
発達のベースになるのは「安心感」
こころの土台のいちばんのベースになるのが「安心感」です。
たとえその場にママがいなくても、「困ったらママが助けてくれる」「自分は大事にされている」という感覚が子どもを支えます。この安心感があるからこそ、初めての場所や活動にも一歩踏み出してみようとする力が育ちます。
安心感は、特別なことではなく、毎日の小さな関わりの積み重ねから生まれます。
抱きしめる、目を合わせて笑い合う、話をじっくり聞く──そんな時間が、子どもの「大丈夫」という気持ちを少しずつ増やしていきます。

「自分は必要とされている」と感じることの意味
もうひとつ大切なのが、「自分は誰かの役に立っている」「ここにいていい存在なんだ」と感じられることです。
大人であれば、
- 子どものお世話をしているとき
- 仕事で頼りにされたとき
など、「自分は必要とされている」と感じる場面があると思います。その感覚は、心のエネルギー源になりますよね。
子どもにとっても同じです。
ぜひ、日常の中で小さな役割をお願いしてみてください。
- テーブルをふく
- 洗濯ものを運ぶ
- ごみをゴミ箱に捨てる など
そして、やってくれたときには、
- 「助かったよ」
- 「あなたがいてくれてうれしいな」
- 「ありがとう」
と、存在そのものを肯定する言葉をたくさんかけてあげてください。
言葉だけでなく、
- ぎゅっと抱きしめる
- 目を見てニコッと笑いかける
- 子どもに関心を向けて話を聞く
といった関わりも、「自分は大事にされている」「必要とされている」という感覚につながります。
この「安心感」と「必要とされている感覚」がしっかり育つことで、発達の土台が安定し、お子さんが自分らしく成長していく力を支えてくれるのです。
家庭でできる「こころの土台づくり」4つのポイント
ママ・パパができる「こころの土台づくり」って、どんなことでしょうか。
実は、特別なことや難しいことではありません。
ここでは、家庭で意識できる4つのポイントにまとめてお伝えします。

たっぷりスキンシップで安心感を育てる
「抱っこしたり、スキンシップをするのは赤ちゃんの時だけで十分でしょ?」
そう思っている方、意外と多いのではないでしょうか。
親御さんの中には、人と触れ合うのがあまり得意ではない、という方もいると思います。
でも、肌と肌が触れ合うことで「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンが分泌されます。このホルモンのおかげで、子どもだけでなく、ママ・パパのほうもより愛情深い関わりがしやすくなると言われています。
意識して、スキンシップの時間をつくることがポイントです。
子どもが自分から近づいてきて、ぴったりくっついてきたときには、ほんの少しの時間でもいいので、手を止めてギュッと抱きしめてあげてくださいね。
「ママは、僕(私)が心細いときも、甘えたいときも、いつでもそばにいてくれる」
そんな安心感が、こころの土台をじっくり育ててくれます。
泣いたときはまず「気持ちに寄り添う」
子どもが泣くときは、どんなときでしょうか。
- 転んで痛かったとき
- ママの姿が見えなくて不安なとき
- 思い通りにならずに悔しいとき
どれも、子どもの中で大きく感情が動いているタイミングですよね。
その「感情の変化」を受け止めて、言葉で代弁してあげることが、気持ちに寄り添う=共感するということです。
「痛かったね、びっくりしたね」
「ママが見えなくて、さみしかったんだよね」
「うまくいかなくて、悔しかったね」
こうした言葉がけによって、子どもは
「僕(私)の気持ちをわかってくれた。この人は信頼できる」
と感じるようになります。
文字にすると少しよそよそしく見えるかもしれませんが、親子のつながりにとって、とても大事なことです。
親子といえども、別の人間で、別の考え方や感じ方を持っています。だからこそ、「相手の気持ちに寄り添うこと」を忘れないでいたいですね。特に小さいうちは、その積み重ねが大きな意味を持つと感じています。
小さな成功をたくさん褒めて自己肯定感アップ
私が子育ての中で、息子によく伝えていた言葉があります。
「〇〇はなんでもできるね!すごいね!」
小さいころから身近な大人に肯定され続けると、子どもの思考は自然と「自分はできるほうの人間だ」という方向に向かいやすくなると言われています。
実際に、息子から
「〇〇はなんでもできちゃうから!」
という言葉を聞いたときがありました。まさに、自分へのプラスのイメージが心の中に根づいている証拠だなと感じました。

小さな子どものうちは、自分で自分を認めるよりも、まずは周りの大人が「あなたはできる」「あなたは大事な存在だよ」と伝えてあげることが、とても大切です。
- ほんの小さなことでも褒める
- 子どもがやった行動にしっかり関心を向ける
- 笑顔と言葉をセットで届ける
そんな日々の積み重ねが、子どもの自己肯定感をぐっと高めてくれるのだと、私自身の子育てを通して実感しました。
「やりたい遊び」に熱中できる時間を大切にする
お子さんの「好きな遊び」は、どんなことですか?
保育士としてたくさんの子どもたちと関わってきましたが、本当に一人ひとり、好きな遊びは違います。
「こんな遊びをしていて、将来のためになるのかな?」
「それより早くから勉強をさせたほうがいいのでは?」
そんなふうに感じることも、きっとありますよね。
ここでは、ひとまず YouTube やゲームからは少し離れて考えてみましょう。
ブロック遊び・塗り絵・折り紙・工作・ままごと・ブランコなどの遊具遊び・砂遊び…
一見すると、「ただ遊んでいるだけ」のようにも思えるかもしれません。
けれど実は、遊びこそが無限の可能性を秘めていて、幼児期のこころの土台をつくる重要な基礎になります。
大学の先生方の研究や、脳科学の分野でも、「遊び」の大切さは繰り返し示されています。
興味・関心の広がり方、そこからの思考や判断、最後までやり抜く力、人間関係のつくり方など──生きていくうえで必要な力の多くは、「やりたい遊びに熱中する経験」の中で育っていくのです。
「やらされる運動」や「やらされる勉強」だけでは育てにくい、自主的な遊びだからこそ育つ力があります。
それは、人間のとても素晴らしい能力だと思いませんか?
お子さんが夢中になっている姿を、ぜひあたたかく見守りながら、その時間を大切にしてあげてくださいね。
「自分で選ぶ経験」が育ててくれる力
親が選んであげるのではなく、子ども自身が「感じて・考えて・選ぶ」経験は、こころの成長にとってとても大きな意味があります。
今までの経験から「自分はどうしたいか」を考え、自分で選んでみる。
そこには、
- 「自分で決めていい」という自由
- 自分で選んだからこそ生まれる、自己責任感
が含まれています。
その積み重ねが、その子らしさそのものを形づくっていきます。
ここからは、「自分で選ぶ経験」が育ててくれる2つの力についてお話しします。
挑戦する力(チャレンジ精神)が育つプロセス
まず、忘れたくないのは
失敗することを怖がらなくていいということです。
- 失敗したら怒られるかも
- 自分にはできないかもしれない
そんなふうに感じてしまう子も多いですが、本当は――
- できなかったら、もう一度やってみればいい
- できなかったら、別のやり方を試してみればいい
- できなかったら、できなかったなりに「ここまで頑張ったね」と認めてあげればいい
それで十分なんです。
この「挑戦する力」の土台になっているのも、やはり安心感です。
失敗しても大丈夫と思えるのは、「自分には味方がいる」と感じられるから。とくに、ママという存在は子どもにとって大きな心の支えになります。まさに偉大な力です。
子どもが何かに挑戦しようとしているときは、その姿をしっかり見守ってあげてください。
- 「大丈夫、やってみよう」
- 「見てるよ、応援してるよ」
そんな一言が、子どもの背中をそっと押してくれます。
初めてのことが苦手な子もいますし、すぐには踏み出せない子もいます。
それでも、小さな挑戦をコツコツ続けていくことで、小学生のどこかのタイミングでぐっと成長が見られることも多いです。
お子さんを信じる力は、親側の伸ばしたい力でもありますね。
「この子はきっと大丈夫」と信じて見守ることが、チャレンジ精神を育てる大事なプロセスになります。
自己肯定感と「できた!」体験の積み重ね
「できた!」という経験は、子どもにとって本当に特別なごほうびです。
うまくいった瞬間、
感情がぐっと高ぶり、からだの細胞がイキイキと動き出すようなエネルギーが生まれます。
もちろん、「できなくても挑戦することが大事」という側面もあります。
でも、挑戦しているということは、
「いつかできるようになりたい」と
子ども自身が自分の力でチャレンジしている
ということでもありますよね。
だからこそ、周りの大人の役割は、
- その挑戦を見守ること
- 必要なときにそっとサポートすること
- 一緒に「やってみよう」と応援すること
だと思っています。
そして、ついに「できた!」瞬間が来たとき。
そのとき、子どものこころはひと回り大きくなります。
- 「自分でできた」という自信
- 「またやってみよう」という前向きな気持ち
この2つが、自己肯定感の大切な芽になっていきます。
小さな「できた!」を見逃さずに、
「すごいね」「ここまで頑張ったね」と言葉にしてあげること。
それが、子どもの内側にある力をじっくり育てていくことにつながっていきます。
幼稚園の環境がこころの土台に与えた影響
息子が年少から3年間通った幼稚園は、子どもたちの主体的な遊びを中心とした生活を大切にしている園でした。
ここでは、息子が通った幼稚園のお話をしたいと思います。
いわゆる「お勉強の時間」がびっしりあるわけではなく、大人に見せるためのお遊戯を一生懸命練習するわけでもない。
何かを「教え込む」ことをあえてしない──そんな方針の幼稚園です。

自由遊びの時間がしっかりある園のメリット
この幼稚園では、子どもの遊びが生活の中心にあります。
朝、登園したあと、子どもたちはそれぞれが
「今日は何をしようかな」「どこで遊ぼうかな」と考え、自分の意思で動き出します。
- 昨日の遊びの続きを始める子
- 虫探しブームで、すぐに外に飛び出していく子
- まるでパトロールのように園内を見て回る子
ぱっと見ると“普通の光景”かもしれませんが、そこには「自由がきちんと保障されている」という大きな意味があります。
私は、この「自由な時間」こそが、
自分で考えて主体的に動ける人間に成長していくための大切な時間だと思っています。
決められた通りにきちんと動くことは、大きくなってからでも十分身につけられます。
でも、「自分で考えて動く」というのは、心の強さや柔軟性と深く関わる力です。
その心を育てるのにぴったりの時期が、まさにこの幼児期という短い時間なのだと感じています。
息子に合っていた「好きなことを好きなだけできる」スタイル
息子には、この「自由なスタイル」がとても合っていました。
ただ、自由って意外と難しいんですよね。
自由のなかで育ってこなかった子どもは、
- 「何をしたらいいの?」
- 「どれが正解の行動なんだろう?」
と、子どもなりに“正解”を探してしまうことがあります。
だからこそ、赤ちゃんのころから
「あなたはあなたでいいんだよ」
「好きなことをしていいんだよ」
と見守っていくことが、とても大事だと感じています。
「これをしなさい」「あれはダメ」と親が決めすぎてしまうと、どうしても子どもの「自分で選ぶ力」が育ちにくくなってしまいます。
話を戻すと、息子の幼稚園での生活は、まさに
「好きなことを好きなだけできるスタイル」でした。
- 園内のいろいろな部屋に自由に行ける
- 外遊びをしたくなったら、好きなタイミングで外に出られる
- 工作がしたかったら、材料を使ってじっくり取り組める
- ブランコに乗りたくなったら、満足するまで揺れていられる
- 「こんな遊びをしたい!」とイメージが浮かんだら、大人と一緒に形にしていける
息子は、そんな環境で3年間を過ごしました。
振り返ってみると、本当に素敵で、そしてとても貴重な経験だったと感じています。
「好きに夢中になれる時間」が心の安定につながった体験談
子どもが「好きなことに夢中になれる時間」は、そのまま心の安定につながります。
こうした遊びを思い切りできたとき、子どもは大きな満足感を得ます。
心が満たされるということは、心が安定しているということでもあります。
水や泥遊びで思い切り感触を楽しむこと。
じっくり考えながら工作をすること。
動物やアイドルなど、憧れの存在になりきって遊ぶこと。
そして、
- 好きなことを思い切りできるよう、大人が環境を整えてあげること
- 「ここなら安心して過ごせる」と感じられる居場所があること
この2つがセットになることで、子どもの中に「自由」を感じる感覚が育ちます。
自由を感じながらも、大人を信頼できること。
大人に守られていると感じながら、自分の好きに夢中になれること。
息子が通った幼稚園は、まさにそんな安心と自由が両方ある、素敵な場所でした。
まとめ|子どもの「好き」と「安心感」を大切に育てていこう
子どもが自分の「好き」を大切にしながら、安心してチャレンジできる環境。
そして、その挑戦をそっと見守ってくれる信頼できる大人の存在。
この2つがそろったとき、子どもはのびのびと成長していきます。
家庭でも、幼稚園・保育園でも、
「こころの土台」を育てるためのベースとなる環境を保障してあげることは、とても大切です。
子ども自身に考えさせ、選ばせ、挑戦させること。
大人は、失敗するとわかっていても、時にはあえて見守ること。
それは、子どもだけでなく、親にとっても大切な“成長のプロセス”です。
そうした見守りの姿勢は、
「何かあっても大丈夫」
「ここにいても安心」
という気持ちを子どもに育て、大きな心の土台を形づくっていきます。
脳がぐんと成長する幼児期だからこそ、
“親御さんと同じ価値観で子どもの成長を見てくれる” 幼稚園・保育園を選ぶことも、とても大切です。
どの子どもにも、
自由が保障され、心がのびのび育っていく環境が用意されることを願っています。


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